何もないところから生まれるもの
もともと入試問題を解くことと教材を作ることは好きな方だが、講師だった時はその塾や予備校のテキストがありそれを解説するのが仕事であり、補助的な教材作成だったが、塾長になった今は1から講座の設計から行い、テキストを作ることになる。市販の塾用教材もあるが、自分で作りたいのもあり今は全部自分で作成している。
はじめはもともとあった文法の教材の再設計から始めたが、さらに磨きがかかったテキストを作ることができた。それから北辰テストの分析を行い各大問ごとの分析を行い、大問ごとの攻略法をテキストにまとめ、さらにそれに準拠した問題集を作成した。「楽しすぎる」仕事だ。まだ生徒がいない段階で一人で黙々と作り、いつか来るだろう生徒に見せた時に、喜んでもらうことを夢見て、ひたすらにテキストを作っていた。それから、中学英語を学年ごとにまとめたテキスト、中高一貫中学生用のテキスト、リスニング用のテキスト等2か月の間に10冊以上作った。
11月になると問合せがあり、生徒が少しづつ増えてきた。誰もいない中テキストを作っている時点で私は楽しかったが、目の前の生徒がいる状態、つまりニーズがある状態でのテキスト作成は、やる気が無限にあふれてくるような楽しさである。
生徒から、「先生のテキストはわかりやすい」など褒めてもらえたら、それだけで報われるし、「もっといいものを作ってやる!」というさらなるやる気につながる。
ここで大事なのは、生徒がいない時、つまり何をモチベーションに頑張ればいいのかわからない時の目標設定の仕方だ。私が考えたことは2つ。1つ目は、もし生徒がたくさんいたら作れなくなるかもしれないという焦燥感を持つこと。逆に今はテキストなど教材を作る絶好の機会なんだと自分に言い聞かせた。2つ目は、優先度が高いものをリストアップし、高いものから作っていった。一つでも完成すればいいと思いながら作り、完成したら、次、次と完成させていった。だんだん完成するたびに、次を作りたいという気持ちが溢れてきた。
生徒の保護者が来た時に、我慢できず、関係のないテキストまで、見せてしまった自分が恥ずかしいが、察してくれたのか、「よくこんなに作りましたね」とほめてもらえたのは涙がでるほどうれしかった。
さて、若い学生たちも、モチベーションがわかない、何をすればいいのかわからないという時が多々あると思う。そんな時こそ自分を磨くチャンスだと思ってほしい。腐ったり、くすぶったりする暇があれば、何かをはじめてみてほしい。そもそも何もなかったところから1でも価値が見つかればラッキーだと思えるだろう。「意味」や「価値」は後から出てくることの方が人生は多いと思う。
最後に、私が一番得意なものは、テキスト作りではありません。授業だ!
